電源線利用の家庭内ネットワークの標準化を進める業界団体HomePlug Powerline Alliance(HPA)は,「HomePlug AV」仕様案の募集(RFP)を米国時間5月9日に発表した。同仕様は,IC(集積回路)の設計に適用され,PCや高精細衛星,ケーブル・セットトップ・ボックス,ビデオ・デッキ,フラット・パネル・モニターなどホーム・エンタテインメント機器を接続する手段を提供する。

 HomePlug AV仕様は,HDTV(高精細度テレビ),SDTV(標準テレビ方式)を含め家庭内に渡るデータ配布,マルチストリーム・エンタテインメントなどに対応する。電源線を介して既設のコンセントに電源プラグを差し込むだけで家庭内のLANを構築できる「HomePlug 1.0」と共存可能となるように設計される。

 提出された案は,Technical Evaluation Group(TEG)が,品質テスト,提案者によるプレゼンテーションを経て評価を行なった後にHPAの役員会に提出する。最終的な技術的選択は役員会が行なう。

 「消費者に家中で高画質のビデオ・コンテンツを見られる手段を提供すれば,高帯域ホーム・ネットワークの採用が促進される。RFPでセキュリティ,サービス品質,有効範囲の要件を厳密にすることで『HomePlug AV』は,ホーム・エンタテインメント向け接続の標準となるだろう」(HPAの会長Peter Kempf氏)

 提案募集の締め切りは2003年8月1日。同年9月8日~10月3日までシステム品質テストと提案者によるプレゼンテーションが実施され,役員会による最終的な決定は,10月24日頃が予定されている。同仕様は,12~17カ月以内に完成し,実際にICや消費者家電で利用されるのはそれ以降となる。

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