米Sun Microsystemsはフランスのカンヌで開催中の3GSM World Congressで現地時間2月23日,モバイル・データ・サービス開発/展開を支援するためのツールやサービスを発表した。「Java Technology for Smartphones HotSpot Implementation(HI)」「Java 2 Platform, Micro Edition(J2ME)Web services」といった開発資料/プラットフォーム,コンテンツ配信サーバー「Sun Java System Content Delivery Server」,スウェーデンEricssonとのマルチメディア・コンテンツ配信に向けた提携などを紹介したもの。

 Java Technology for Smartphones HIは,Java対応モバイル・クライアント用のJ2ME参照実装。携帯電話機にJavaを搭載する際のガイドラインJava Technology for the Wireless Industry(JTWI:JSR 185)と開発プラットフォームJ2ME Web Services(JSR 172)に従っており,MIDP 2.0,Wireless Messaging API 1.1,Mobile Media API 1.1などに対応する。マルチメディア,メッセージング,Webサービスといった豊富な機能を実現でき,現行の参照実装に比べ実行速度は7倍以上という。既に利用可能となっており,大手メーカー数社がライセンスを取得した。Java Technology for Smartphones HI対応モバイル機器の出荷は,2004年終わりから2005年初めにかけて始まると見込む。

 J2ME Web Servicesは,モバイル機器向けのネットワーク対応データ・サービスを構築するプラットフォーム。WS-Iに対応しており,XMLおよびSOAPベースのWebサービスにアクセス可能なモバイル機器を開発できる。無線機器向けJava開発ツールキットJ2ME Wireless Toolkitとの互換性も備える。既に利用可能となっている。

 同社のそのほかの発表内容は以下の通り。

Sun Java Enterprise System
 モバイル・アクセス時の安全性を高め,シングル・サインオン仕様Liberty Alliance Phase 2対応とした,サーバー向けJavaシステムの新版

・Sun Java System Content Delivery Server 4.0:
 コンテンツ配信/管理を行うサーバーの新版。バイラル・マーケティング(口コミ・マーケティング)などを行うことが可能で,ショート・メッセージング・システム(SMS),デジタル著作権管理(DRM)にも対応

・Ericsson社との提携:
 世界各地のモバイル事業者やサービス・プロバイダに包括的なマルチメディア・コンテンツ配信ソリューションを提供するため,Ericsson社と提携した。同ソリューションを利用すると,モバイル・コンテンツの配信を短期間/低コストで開始でき,管理業務の経費と手間を減らせるという

・J2ME Wireless Toolkit 2.1:
 無線アプリケーション開発ツールキットで,Java対応モバイル機器用のエミュレーション環境を提供する。既に利用可能となっている

 またSun社は同日,既存ネットワークと無線サービスを統合するための仕様「JAIN SLEE」(JSR 22)の最終版の公開についても明らかにした。仕様書はJava Community Process(JCP)のWWWサイトでダウンロードできる。

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[発表資料(各種新ツール,資料,サービス)]
[発表資料(JAIN SLEE)]