米Sun Microsystemsが米国時間11月27日に,無線機器向けJava開発ツールキット「Java 2 Platform, Micro Edition(J2ME)Wireless Toolkit」のバージョン「1.0.3」を発表した。11月28日~30日に横浜のパシフィコ横浜で開催される「JavaOne Conference」で,日本語対応の早期アクセス版をデモンストレーションする予定である。

 J2ME Wireless Toolkit 1.0.3は,主要なJava技術向け統合開発環境(IDE:Integrated Development Environments)と組み合わせて使用する。「Over-the-Air」と呼ぶモバイル機器向けサービス方式の設計と導入を視野に入れる。

 Java技術向けIDEには,Sun社の「Forte for Java」,米Borland Softwareの「JBuilder MobileSet」,米Motorolaの子会社Metrowerksの「CodeWarrior for Java」などがある。「主要なJava技術向けIDEのノウハウを利用しながら,効率的で迅速にアプリケーションを開発できるようにする」(Sun社)。

 またSun社は,「OTA向けのJava対応サービスが可能になれば,通信事業者や携帯電話機メーカーは幅広いアプリケーションやサービスを提供できるようになる」としている。

 J2ME Wireless Toolkit 1.0.3は,開発環境でアプリケーションを作成するほか,装置へのアプリケーション配信をテストできることが特徴。主な機能は以下の通り。

・エミュレーション環境のドキュメンテーションや用例を提供する。デスクトップ・パソコン上でアプリケーションのパッケージングやテストができる。

・CLDC(Connected Limited Device Configuration)やMIDP(Mobile Information Device Profile)の参照実装(バージョン1.0.3)が含まれる。J2MEアプリケーションが別のCLDC/MIDP準拠の携帯電話機やPDAで動作するかテストできる。

・HTTPに対応し,アプリケーションやサービス配信に向けた安全なネットワーク接続を可能にする。

・ソース・レベルのデバッギング機能により,より詳細なバグ検出が可能。

・「MIDP for Palm OS 1.0」が含まれる。「Palm OS」向けに最適化したJavaランタイム環境とAPIを提供する。

 J2ME Wireless Toolkit 1.0.3はLinux,Solaris,Windowsで動作可能。日本語対応の早期アクセス版に関する情報はWWWサイトから入手できる。

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