米Sun Microsystemsと米Texas Instruments(TI)は,第2.5/3世代(2.5/3G)携帯電話ネットワーク向け無線ソリューションの提供で協力すると,米国時間10月30日に発表した。提携の目的について両社は「モバイル・データ・サービス展開にかかるコストと作業負荷を軽減し,モバイル機器メーカーや無線事業者を支援する」としている。

 これによりTI社は,Sun社から携帯電話機用Java仮想マシン(JVM)のコンフィギュレーション「Connected Limited Device Configuration HotSpot Implementation(CLDC HI)」のライセンスを受け,TI社のGSM/GPRS,EDGE,CDMA,UMTS対応ハンドセット向け「TCS」チップセットと,無線アプリケーション・プロセサ「OMAP」に組み込む。「こうすることで,Java対応ハンドセットの製造作業を簡素化でき,ユーザーの操作性も改善できる」(両社)。TI社は,CLDC HIを搭載したGPRS向けチップセットとハンドセット参照設計を,2004年第2四半期には提供できると見込む。

 また両社は,組み込み機器用Java仕様,Java2 Platform, Micro Edition(J2ME)のうち,携帯電話機向けプロファイル「Mobile Information Device Profile 2.0(MIDP 2.0)」をTCS無線チップセットとOMAPプロセサに最適化する作業も共同で進める。「Java対応機器の設計を簡略化できるので,モバイル機器開発時にコスト削減と期間短縮が可能となる」(両社)。OMAP上にMIDP 2.0とCLDC HIを実装した成果物は,Sun社が2004年第2四半期までに利用可能とする予定。

 さらに両社は,OMAPに最適化実装したJavaについて,Sun社の無線マルチメディア・コンテンツ配信管理サーバー「Content Delivery Server」を使って動作検証することも計画している。この作業について,両社は「Java技術対応モバイル・データ・サービスを展開する際の,無線事業者の負荷軽減が目的」と説明する。

 モバイル向けJavaアプリケーション/サービスの開発/管理/販売を支援するSun社のプログラム「Java Mobility Advantage Program」とSun Content Delivery Serverを,TI社のTCS無線チップセット,OMAPアプリケーション・プロセサ,そして参照設計と組み合わせることで,「Javaアプリケーションおよびサービスを展開するための,高性能で総合的なエンド・ツー・エンド・ソリューションを提供できる」(両社)

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[発表資料(Sun社)]
[発表資料(TI社)]