米Frost & Sullivanは世界のモバイル・ゲーム市場について調査した結果を米国時間7月3日,発表した。それによると,2001年における市場の売上高は4億3640万ドルだった。メッセージング・ベースのダウンロード可能なWeb対応モバイル・ゲームが着実な成長をみせるため,市場は2008年に93億4000万ドル規模へと拡大する。

 モバイル音声サービスがますます一般的になっている中,ネットワーク事業者はモバイル・データ関連サービスに着目し,落ち込む収入の建て直しを図っている。「モバイル・データ関連サービスのカギとなるのはゲームだ。ゲームは多くの顧客を引きつけ,ネットワーク・トラフィックを引き上げる。ネットワーク事業者にとっては収益増加の頼みの綱である」(Frost & Sullivan社)

 モバイル・ゲームが秘める可能性を十分に生かすためには,決済システムを充実させるべきだ。消費者はモバイル・サービス料を通信でクレジット・カード決済することに不安を抱いているため,ネットワーク事業者がコンテンツ・プロバイダの売り上げ分を一括して徴収する“マイクロ決済システム”が必要になる。

 「北米と欧州のほとんどのネットワーク事業者は,サードパーティのコンテンツ用にマイクロ決済システムを導入しなければならなくなる。コンテンツ使用分もあわせて徴収するBOBO(billing-on-behalf-of-others)モデルの重要性を認識しているものの,2001年末時点で実際にその仕組みを取り入れているネットワーク事業者はごくわずかだ」(Frost & Sullivan社調査アナリストのKshitij Moghe氏)

 同氏は,「こうした確実なシステムを導入しない限り,消費者はモバイル・ゲームに近づかないだろう。また当然の事ながら事業者は,代価を支払ってゲームをするということを消費者に納得させなければならない。インターネット経由の無料コンテンツが特に北米の消費者の心に強く刻み込まれているため,有料モバイル・コンテンツを消費者に受け入れてもらうには困難が伴うだろう」と付け加えた。

 モバイル・インターネットが始まって以来,ネットワーク事業者はコンテンツを無償で提供し,接続料金だけを要求してきた。ユーザーにコンテンツ料の支払いを納得してもらうには,魅力的なコンテンツを配信するほか,便利な支払い方法を提供する必要がある。

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