米Sun Microsystemsが米国時間3月25日に,携帯電話やPDA,セットトップ・ボックス,テレマティックス機器といった小型モバイル・クライアント機器に向けたWebサービスへの取り組みについて発表した。同日サンフランシスコで開幕したJava開発者会議「JavaOne Developer Conference」で明らかにしたもの。
この取り組みの一環としてSun社は,統合開発環境(IDE)「Forte for Java」の無線用ツールキット,無線プログラム開発向けのガイド,同社が運営するJavaの共通仕様策定プログラム「Java Community Process(JCP)」で承認されたAPIを組み合わせて提供する。
また同社はこれら小型機器に向けたWebサービス技術のドラフト仕様がJCPの執行委員会(JCP Executive Committee)で承認されたことを明らかにした。ドラフト仕様の名称は「Java Specification Request(JSR)# 172 」。Sun社が作成しJCPに提出していたものである。
JSR# 172は,Sun社のForte for Javaをはじめ,米Oracleの「JDeveloper」,米Metrowerksの「CodeWarrior for Java」,米Borlandの「JBuilder」の将来版でサポートされる予定。このほかJSR# 172への支持を表明している機器メーカには米RIM,ドイツSiemens,英Symbian,フィンランドNokia,米Motorolaなどがあるという。「API提供に関する詳細については今後90日以内に明らかにする」(Sun社)という。
「JSR #172は,XML,SOAP,UDDI,ebXMLといったWebサービスの標準技術をモバイル/消費者機器に向けるもの。J2ME(Java 2 Platform, Micro Edition)ベースでネットワーク接続する携帯電話,PDAなどの機器を使ってWebサービスを利用できるようになる」(Sun社)
なおJCPの執行委員会では,今後JSR #172仕様のレビュー作業を監督していく。Sun社によれば,2003年の夏にも同執行委員会の承認が得られることが見込まれているという。
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