米Sun Microsystemsは米国時間2月18日,Javaアプリケーション開発ツール「Java Studio Creator」(開発コード名「Project Rave」)の技術プレビュー版フェーズ2を発表した。

 Java Studio Creatorは,企業におけるJava技術の開発と導入を促進するためのツール。「Javaプラットフォームの性能と簡素化した開発モデルで,生産性の高い能率的な作業環境を提供する」(Sun社)としている。

 Java Studio Creatorで作成したアプリケーションは,Sun社のサーバー「Java System Application Server」をはじめ,J2EE対応サーバーで動作する。「Microsoft社の『Visual Studio』や米BEA Systemsの『WebLogic Workshop』といったツールにありがちな,特定のベンダーに依存しなければならない仕組みを打ち破る」(Sun社)

 今回のフェーズ2は,2003年12月に発表したフェーズ1に続くもの。フェーズ1では「多数の建設的なフィードバックが寄せられた」(Sun社Developer Platforms Group部門バイス・プレジデントのRich Green氏)という。プレビュー・プログラムには,金融サービス,大手電気通信企業,自動車会社,無線事業者,ハイテク企業,バイオテクノロジ企業などから100人以上の開発者が参加する。Sun社はフィードバックをもとに,ツール自体とそれを取り巻くサポート・インフラの調整を図る。Java Studio Creatorの早期アクセス版は今春に,最終版は今夏に一般向けリリースを行う予定。Solaris,Windows XP,LinuxなどのOSに対応する。

 Java Studio Creatorの主な特徴は以下の通り。

・ユーザー・インタフェースやコンポーネント・インフラをドラッグ・アンド・ドロップ操作でレイアウト

・「JavaServer Faces」技術を用いた,イベント・ベースのコーディング・モデル

・「JDBC Rowsets」技術による手軽なデータベース・アクセス

・Java-XML技術を介した簡単なWebサービス利用

・J2SE(Java2 Platform, Standard Edition)1.5の新たなメタデータ機能により,コードとアプリケーション実装を能率化

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