米Sun Microsystemsは,これまで「Project Rave」(開発コード名)と呼んでいたJava開発者向けツールのプレビュー版をリリースした。Sun社がドイツで開催中の「SunNetwork 2003」で現地時間12月3日に明らかにしたもの。なお同ツールの正式名称は「Java Studio Creator」となる。

 Java Studio Creatorは,企業におけるJava技術の開発と導入を促進するための新ツール。「標準仕様に基づいており,多層形式の分散型アプリケーションを効率よく開発できる」(Sun社)。一般向けリリースは2004年半ばを予定しており,価格は未定。

 またSun社は同日,開発プラットフォーム向けシステム「Java Studio Enterprise」の早期アクセス・プログラムを発表した。Java Studio Enterpriseは,サーバー向けシステム「Java Enterprise System」を統合した開発者向けツール・セット。デスクトップ・パソコン向けシステム「Java Desktop System」にも対応しているため,Java Enterprise Systemはもちろん,Java Desktop System向けに開発したCおよびC++アプリケーションを実装できる。早期アクセス・プログラムは2004年1月に開始する。製品出荷は2004年半ばとなる見通し。

 同社はまた,「Java Web Services Developer Pack(Java WSDP)1.3」を発表した。これにより,「Java Enterprise SystemとJava Studio Enterpriseのユーザーは,標準化団体であるW3CやOASIS,Webサービス普及促進団体WS-Iの仕様に準拠したWebサービス対応Javaアプリケーションを,いち早く開発できる」(同社)という。

 その他,統合開発環境「Studio 8」の早期アクセス・プログラムを発表した。Studio 8は,C,C++,Fortranを使ってSolarisアプリケーションを開発する開発者に向けたもの。性能分析機能やデバッガなど,アプリケーション性能の最適化や,開発期間を短縮できる機能を搭載している。製品出荷は2004年第1四半期の見通し。価格は2995ドルの予定。

 「本日発表した一連の開発ツールは,当社のソフトウエア戦略の中核となるものだ。とりわけJava Studio Creatorのプレビュ版のリリースは,製品開発を加速化するうえで大きな役割を果たすだろう」(Sun社 Developer Platforms Group担当副社長のRich Green氏)

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