米Sybaseは米国時間2月9日,企業向けアプリケーションの解析/設計用統合環境「PowerDesigner 10.0」,モバイル・アプリケーションの開発環境「Pocket PowerBuilder 1.5」,企業向けアプリケーション・サーバー(APサーバー)「EAServer 5.0」を発表した。

 PowerDesignerは,企業向けの総合モデリング・ツール。エンド・ユーザーの技術レベルを問わず,業務/技術コミュニティ間のやり取りと共同作業を推進できるという。ビジネス・プロセスのモデリング,データ・モデリング,UML(Unified Modeling Language)モデリングなどの機能に加え,モデル駆動アーキテクチャにも対応している。

 サービス指向アーキテクチャ(SOA)対応としたことで,Webサービス向けビジネス・プロセス仕様BPEL4WSのRound Trip Engineering機能の利用が可能となった。英SIMUL8の開発した離散系シミュレーション・ソフトウエアSIMUL8のシミュレーション・ツールとやり取りできるインタフェースも新たに設けた。

 PowerDesigner 10.0は既に利用可能。価格は995ドルから。

 Pocket PowerBuilder 1.5は,モバイル機器向けアプリケーションを開発するツール。オブジェクト指向言語対応の統合開発環境(IDE)を備え,データ処理技術「DataWindow」やデータ同期技術「MobiLink」を採用している。各種OS/機器の指紋認識技術を利用するための新オブジェクトも導入した。

 Pocket PowerBuilder 1.5は既に購入可能で,価格は1295ドル。2004年3月末までは特別価格495ドルで販売する。

 EAServer 5.0は,企業向けアプリケーション・サーバーの新版。Webサービス開発用のツールも用意している。各種オープン標準をベースにしており,「強力なビジネス・クリティカルなアプリケーションを実現するとともに,総所有コスト(TCO)を低く抑える」(Sybase社)という。「Java 2 Platform, Enterprise Editon(J2EE)1.3,C/C++,PowerBuilder,Component Object Model(COM)を統合した唯一のアプリケーション・サーバーで,既存システムを活用しつつ,次世代アプリケーションを構築できるプラットフォーム」(同社)という。

 EAServerの価格は3000ドルから。既に利用可能となっている。

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[発表資料(PowerDesigner 10.0)]
[発表資料(Pocket PowerBuilder 1.5)]