ドイツのSAP AGが米国時間3月27日に,「SAP Web Application Server」を「Java 2 Platform, Enterprise Edition(J2EE)」のバージョン1.3に対応させると発表した。米サンフランシスコ市で開催中の,Java開発者向けカンファレンス「JavaOne Developers Conference」の会場で明らかにしたもの。

 SAP Web Application Serverは,同社のオープンなWebサービス向け統合インフラ技術「mySAP Technology」の主要コンポーネントの一つである。「mySAP Technologyを使うことで,業務を共同で行うアプリケーション間に必要な,相互運用性と柔軟性を手にすることになる」(SAP社)

 SAP社は2001年に開催したSAP TechEd Conferenceで,mySAP Technologyのロードマップの概要を明らかにしている。それによると,プラットフォーム非依存でメンテナンスの容易な業務WWWアプリケーションと技術を用いて,SAP Web Application ServerでWebサービスを提供するという。使用する技術には,J2EEと同社のプログラム記述言語「ABAP」を含む。

 「SAP Web Application Serverを使えば,ABAPの既存の技術資産を利用できる。同時に,新しいアプリケーションの構築とWebサービス環境でのJ2EEアプリケーションの展開に向け,インフラの提供とJavaプログラミング要員の活用が可能になる」(同社)

 SAP Web Application Serverは,UDDI,WSDL,SAOPなどのWebサービス用標準技術や,RosettaNet,ebXML,UBLといったオープンな業務標準に対応している。これにJ2EEへの対応を追加し,設計/開発/展開から継続的な変更まで,総合的なライフ・サイクルの管理を提供するという。

 SAP Web Application Serverは2002年6月に,米Sun Microsystemsの互換性テスト「Compatibility Test Suite for J2EE 1.3」に合格する予定だという。テストは,「Enterprise Java Beans 2.0」,「Java Message Service(JMS)1.0.2」,「J2EE Connector Architecture(JCA)1.0」を対象とする。

 SAP社では,「顧客に最新のインフラを提供し続けるため,今後も最新仕様に対する互換性確保に努める」としている。例えば,Sun社のXML対応Java API「Java API for XML Parsing(JAXP)1.2」「Java API for XML Messaging(JAXM)1.0」 ,XMLスキーマなど,Webサービス向けXMLベース技術に対応していくと説明している。

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