米Borland Softwareは,Javaアプリケーション向け統合開発環境の新版「Borland JBuilder X(テン)」を米国時間10月21日に発表した。Borland社は「開発者の生産性を向上する目的で,100種類以上の新機能追加や機能強化を施した」とする。

 同社によると,新機能は主にユーザビリティと生産性に的を絞っており,具体的にはWebアプリケーション,Webサービス,Enterprise JavaBeans(EJB)の開発と,Java 2 Platform, Enterprise Editon(J2EE)導入を対象にしているという。たとえば,Apache Strutsフレームワーク用の標準ベースのビジュアル設計ツールに対応したWebアプリケーション開発機能を採用したほか,オープン・ソースのアプリケーション・サーバーであるJBossに「初めて包括的に」(同社)対応した。

 JBuilder Xは,Java SwingベースのOpenTools APIを使った機能拡張にも対応している。「再利用可能な80種類以上のサード・パーティ製コンポーネントおよびプラグインの利用が可能となり,JBuilderユーザーに付加価値を提供できる」(同社)

 またJBuilder Xは性能計測ツール「Optimizeit Suite 6.0」を内蔵しており,より良いコードを作成する際にも役立つという。さらに「Borland Application Lifecycle Management(ALM)」ソリューションとの統合強化と,数100種類のサード・パーティ製ツール/コンポーネントとの組み合わせにより,「全体的な業務の必要性に合致するソフトウエア作成が可能になる」(同社)。

同開発環境の主な新機能/強化点は以下の通り。

【ユーザビリティ向上に関する新機能/強化点】
・編集作業を容易にする新ユーザー・インタフェース

・作業中に必要な機能のみを“手元”に出しておくようカスタム化できる機能

・長いソース・ファイルで作業中に不要な部分を省略することで,注目している部分のみ複数カ所を表示する機能

・プロジェクト全体で利用できるToDoリストとブックマーク

・リファクタリング対応の強化

【Web開発強化に関する新機能】
・ドラッグ&ドロップでWebアプリケーションを開発できる標準ベースのApache Struts設計ツール

・コーディングの速度を上げつつミスを減らすための「TagInsight for JSP HTML and XML」

【Webサービス開発強化に関する新機能】
・ドラッグ&ドロップでWebサービスの作成/検証/取り込み/書き出しが可能な「Web Services Designer」

【J2EE開発に関する機能】
・アプリケーション・サーバーJBossに対応

・J2EE導入ディスクリプタの設定/変更を支援する双方向対応ディスクリプタ・エディタ

・BEA WebLogic,IBM WebSphere,Sun ONE,Oracle9i,Sybase EAServer,JBoss,Borland Enterprise ServerといったJ2EEアプリケーション・サーバーに対応

 同社はJBuilder Xとして,「JBuilder Enterprise」「JBuilder Developer」「JBuilder Foundation」の3種類を用意する。またJBuilder Foundationの商業利用と再配布を可能とする新たなライセンシング・モデルも提供するとしている。

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