米Sybaseは3月中に,アプリケーション開発ツール「PowerBuilder 9.0」の出荷を開始する。同社が米国時間3月24日に明らかにした。

 PowerBuilder 9.0は,Java 2 Platform, Enterprise Edition(J2EE)や.NET環境に対応した新機能を搭載する。Sybase社はPowerBuilder 9.0を,同社の次世代RAD(rapid application development)環境「4GLplus」の基礎をなすものと位置づける。4GLplusは,設計,モデリング,開発,導入,管理を密に連携することで,開発者の生産性をさらに引き上げる環境を提供する。

 PowerBuilder 9.0の主な機能は以下の通り。

・XML DataWindow:XML文書から直接データを取り込める。さらに,完全にカスタム化したXML文書としてデータを保存することで,あらゆるデータ・ソースにデータを読み込ませることも可能。

・JSP:ウィザードやそのほかの開発ツールにより,JSP Webアプリケーションの迅速な開発と展開が可能になる。

・PowerBuilder Native Interface:PowerBuilder仮想マシンから,C++アプリケーションの読み込みおよびメソッド呼び出しが行えるようになる。

・サードパーティ製アプリケーション・サーバー対応:ウィザードで米BEA SystemsのWebLogic,米IBMのWebSphereに対応しており,Enterprise JavaBeans(EJB)用のプロキシを生成し,そのプロキシを介してPowerBuilderからJ2EEサーバー内のEJBを呼び出す。

・ソース・コントロールの強化:大規模のPowerBuilderプロジェクトをこれまでより効率的に管理できるようにすることを狙う。米Rational SoftwareのClear Caseおよび英MERANTのPVCSとのより密な統合が可能となる。

・ORCAscriptユーティリティ:英語によく似たスクリプト言語を使ってORCA APIコマンドを実行できる。ソース・コード・コントロール機能を統合したことで,PowerBuilderのターゲットではソース・コントロールから直接再ビルドできるようになる。

 なおSybase社は,カリフォルニア州サンディエゴで開催中の「Gartner Symposium/ITxpo 2003」で,PowerBuilder 9.0のデモを行う予定である。

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