米TrendFOCUSが米国時間2月5日に,ハード・ディスク装置(HDD)市場に関する調査結果を発表した。それによると,2003年の売上高は220億ドルで前年比9%増,出荷台数は2億6140万台で前年に比べ19%増えたという。また2004年の出荷台数については,3億台に近づくと予測する。

 同市場の状況について,TrendFOCUS社副社長のJohn Donovan氏は,「2003年に業界が力強い復活を遂げただけでなく,2007年までこれまでになく需要の高い状態が続く」と述べる。「パソコンとサーバー向けHDDは2003年後半に盛り返し,2004年いっぱい硬調が持続する。一方,家電品におけるHDDの利用がここ数年なかったほど話題になっている。2004年には家電品向けHDDの需要が70%増えるだろう」(同氏)

 2003年におけるメーカー別シェアをみると,米Seagate Technologyと米Maxtorが上位を守り,米Western Digitalが米Hitachi Global Storage Technologies(Hitachi GST)を抜いて3位に上がった。「今後も順位争いは続く。東芝と富士通が小型HDD戦略を積極的に進めている。また米Corniceと中国のGS Magicstorは1インチ型HDDを開発し,新しいタイプの製品を推進する」(同社)

■HDDのメーカー別シェア
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                          2003年       2002年
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Seagate Technology        28.9%       29.5%
Maxtor                    21.2%       23.4%
Western Digital           17.2%       14.3%
Hitachi GST               16.5%       16.8%
東芝                       5.8%        5.0%
富士通                     4.4%        3.9%
Samsung Electronics        5.7%        5.4%
その他                     0.5%        0.1%
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出典:TrendFOCUS社

そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・2004年に垂直記録技術が登場し,新たな設備投資を呼び起こす

・Serial Attached SCSI(SAS)やシリアルATA(SATA)などの新しいインタフェースが市場を分断し,競争が激しくなる

・1インチ型以下のHDDが,デジタル音楽プレーヤ,PDA,その他モバイル機器で多く利用されるようになる

・2007年には,HDD市場の売上高の25%以上を家電品向け製品が占めるようになる

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