米Hitachi Global Storage Technologiesは,ハード・ディスク装置の新製品「Microdrive」「Ultrastar 15K73」「Travelstar Compact Series C4K40」を米国時間1月6日に発表した。

 Hitachi Global Storage Technologies社は,日立製作所が米IBMのハード・ディスク装置事業の資産を買収して設立した新会社である。本社はカリフォルニア州サンノゼ。設立当初の出資比率は日立70%,IBM社30%だが,2005年末には日立の100%子会社とする予定(関連記事発表資料)。

 各製品の主な内容は以下の通り。

・Microdrive:
 1インチ型のCompactFlashインタフェース対応ハード・ディスク装置。従来製品は記憶容量が最大1Gバイトであったのに対し,新製品では4Gバイトとなる。FEMTヘッドを採用し,きょう体の大きさを従来製品の半分に,高さを40%削減している。さらに,「Pixie Dust(妖精の埃)」と呼ぶ反強磁性結合(antiferromagnetically-coupled:AFC)メディアを使用することで,記録密度を600億ビット/平方インチ以上に高めた。データ転送速度は,従来製品より50%高くなったという。4Gバイト版Microdriveは2003年秋に発売する予定。価格については後日発表するという。

・Ultrastar 15K73:
 3.5インチ型のハイエンド・エンタプライズ・ハード・ディスク装置。記録容量は最大73Gバイト,回転速度は1万5037rpm。AFCメディアと流体軸受けモーターを採用することで,記録密度310億ビット/平方インチを実現する。最大連続データ転送速度は77.2Mバイト/秒。インタフェースはUltra 320 SCSIおよび2Gb FCAL。73Gバイト版と36Gバイト版の2製品を用意する。発売は2003年第1四半期の予定。

・Travelstar Compact Series C4K40:
 1.8インチ型のモバイル用ハード・ディスク装置。回転速度は4200rpmで,記録密度は670億ビット/平方インチ。SFF8111標準と互換性がある。さらに,現行の2.5インチ型フォーム・ファクタとの互換性もあるので,ノート・パソコンのメーカーなどは容易に2.5インチ型から1.8インチ型へ移行できる。40Gバイト版と20Gバイト版の2製品を用意する。発売は2003年4月の予定。

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[発表資料(Microdrive)]
[発表資料(Ultrastar)]
[発表資料(Travelstar)]