米Cahners In-Stat Groupが米国時間5月14日に,民生用電子機器向けハード・ディスク装置(HDD)市場に関する調査結果を発表した。それによると,消費者のPersonal Video Recorder(PVR)利用が増加するとともに,HDDベースのストレージが家庭のオーディオやビデオ・エンターテインメント機器で果たす役割が大きくなる。

 そのため,PVR,デジタル・オーディオ・ジュークボックス,ビデオ・ゲーム機,テレビなど,HDDを組み込んだ民生用電子機器の需要が世界的に高まると,In-Stat社は予測する。

 HDDを内蔵した民生用電子機器市場を牽引するのはPVRで,2004年の世界出荷台数は2800万台を上まわるとみる。

 HDDメーカにとっての最大市場は依然としてパソコンだが,多くのメーカーは長期的成長が期待できる新たな市場分野へ参入し始めている。2001年におけるすべてのHDD出荷台数のうち,民生用電子機器向けHDDが占める割合は2%に満たない見込みだが,2004年にはその割合が12%まで拡大する。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・2003年におけるHDD内蔵デジタル・オーディオ・ジュークボックスの出荷台数は40万台を上まわる。

・世界のPVR売上高は2004年に89億ドルに達する。

・PVR機能を統合した直接衛星放送(DBS)対応セットトップ・ボックス(STB)の急速な普及がPVR普及率を引き上げる。2001年末時点には,DBS対応STBの出荷台数が世界PVR出荷台数の80%を占めるとみる。

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