フィンランドのNokiaと米IBMはフィンランドで現地時間1月16日に,約2億ユーロ(約2億4600万ドル)規模のITサービスに関する提携を発表した。Nokia社はIBM社に,ヘルプ・デスク運用とデスクトップIT管理業務を委託する。提携期間は5年間。

 提携のもと,IBM社は世界57カ国でNokia社にITサービスを提供する。36カ国における約430人のNoki社従業員がIBM社に移籍する。

 Nokia社Business Infrastructure部門バイス・プレジデントのGordon Jack氏は,「中核事業とIT関連の取り組みに注力するために,デスクトップIT環境の管理を外部委託することに決めた。これにより,柔軟なサービスの向上とコストの削減を図り,事業の機敏性を高める」と語った。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,IBM社が提供するIT管理サービスは,従量課金制のオンデマンド・コンピューティングをベースにし,「Tivoli」管理ソフトウエアを使用する。デスクトップ・パソコンだけでなく,PDAや無線デバイスも対象にするという。2004年4月より提供を開始する予定。

 「当社の“ワークプレイス・オンデマンド”は,Nokia社の協力を得て,デスクトップ・インフラ技術の発展を促進し,各種のデスクトップ・サービス・モデルに恩恵をもたらすだろう」(IBM社EMEA事業サービス・デリバリ部門ジェネラル・マネージャのPeter Holland氏)

 なお,提携の成立には,競争当局の承認が必要である。

◎関連記事
米IBM,10年間のオンデマンド技術サービス契約を米Equifaxから獲得 
IBMを偉大な企業に作り直すパルミザーノ氏,オンデマンドの野望
米Sunと米SchlumbergerSema,ユーティリティ・コンピューティングで提携
米HP,P&GとEricssonからアウトソーシング契約を獲得
「CFOの60%以上が,業務プロセスのアウトソーシングを計画中」,米IBM調査より
「ITアウトソーシングの市場規模は,顧客の分野によって大きく異なる」,米IDCの調査
「コストと品質の兼ね合いが分かる“ITサービス市場”を作る」
「買収と合併が進むITサービス分野,アウトソーシング契約は慎重に」,米ガートナー

[発表資料へ]