米IBMは,CFOが社内で果たす役割とその課題について調査した結果を,米国時間11月25日に発表した。それによると,CFOは,業務プロセスの自動化やアウトソーシング,共有サービスの配信などを通じてコストを削減しようとしている。CFOの60%以上が,業務プロセスのアウトソーシングを計画中である。

 調査は,2003年9月に35カ国における企業のCFO450人を対象に実施したもの。調査対象となった企業の平均年収は84億ドルである。業績管理と株主の利益向上を,最も重要な業務とみなしているCFOは全体の3分の2に達した。

 CFOは今後3年間で,業績管理に関する業務が2倍以上に増えると予測している。このようなCFOの役割変化に伴い,CFOが直面する課題も明らかになった。多くのCFOは,業績管理プロセスが業務の複雑化に対応できていないと感じている。CFOの70%以上が,重要な資産である情報の管理を徹底すべきだと述べた。ちなみに,意思決定の際に必要となる社内の包括的データにアクセスできるビジネス・マネージャはわずか20%だった。

 CFOは,投資した技術が社内で有効に利用されていないと感じている。ERPシステムを「有効活用できている」とするCFOは19%に過ぎず,「ビジネス・プロセスの責任所在が明確である」というCFOはわずか3分の1だった。

 「CFOは,業績管理と,競争力強化に向けたガバナンス・プロセスで果たす役割を重視するようになっている。CFOの当面の課題は,業務内容の変化に対応しながら,コスト削減を実施することだ」(IBM社IBM Business Consulting Services部門担当財務管理マネージャのJim Bramante氏)

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