米Texas Instruments(TI)は,ホーム・ネットワーキング向けのルーター技術「wONE」を米国時間1月5日,発表した。1つのチップセットで802.11a/b/gの同時接続を実現できるソフトウエア技術である。「wONEにより,メーカーは高価だったデュアル・バンドのルーターを家庭やSOHO,無線LANアクセス・ポイント向けに廉価で提供できる」(TI社)

 ホーム・ネットワーキングの場合,リビングで802.11a対応のメディア・センターやPVRを使用しながら,802.11b対応のPDAと802.11g対応のノート・パソコンを同時に利用できる。

 「wONEでは,既存の802.11a/b/g機器をそのまま活かすことができる。ユーザーはこれら規格の違いを気にすることなく,ネットワークに接続できるようになる。価格も802.11g対応ルーターを少し上回る程度」(米In-Stat/MDR主席アナリストのMike Wolf氏)という。

 wONEはTI社のAPデザイン・キット(APDK)の一部。メーカーはwONEにより,WLAN製品の設計・開発を短縮することが可能。wONEはTI社のプロセサ「TNETW1130」「TNETW1230」,同CPU「TNETW5306」上で作動する。

 wONEはTI社のAPDK 5.1.の一部として,すでに販売を開始している。802.11a/b/b+/g/g+対応製品と互換性を持っており,操作モードは802.11b/g,802.11a,802.11a/b/gの3通りとなる。

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