米Texas Instrumentsは,携帯電話機とPDA向けの新しい小型Wi-Fiチップ「TNETW1230」の出荷予定を米国時間9月17日に明らかにした。同チップは,3802.11b/802.11a/802.11gに対応する。同年6月からサンプル出荷されており,10月に製品出荷を予定している。

 同チップは,米Motorola社のWi-Fi/携帯デュアル・システム・フォンを含め,いくつかの携帯電話機とPDAの設計に組み込まれている。

 TNETW1230は,MACとベースバンド・プロセサをシングル・チップとしてに12ミリ×12ミリのパッケージに搭載する。同社のELP技術を採用し,スタンバイ・モードで電力消費を1ミリアンペア未満に抑えて長時間のバッテリ運用を実現する。

 同チップは,同社のチップ間シリアル・インターフェイス「VLYNQ」などいくつかのインタフェースを搭載するため,アプリケーション・プロセサ「OMAP1610」,「OMAP1611」,「OMAP730」と他のチップセットに容易に接続できる。そのため,同チップを搭載した携帯電話のユーザーは,Wi-Fiと携帯電話ネットワークの両方を介して音声とデータ通信が可能になる。

 同チップを搭載した携帯電話機を職場で利用する場合には,Wi-Fi無線ネットワークを介して通話が行なわれる。Wi-Fiネットワークが網羅する範囲を越えると,通話は自動的に携帯電話ネットワークに切り替えられる。

 また,同チップは,同社のBluetoothソリューション「BRF6100」にも接続できる。そのため,ユーザーは,Bluetoothの音声,WLANデータ・サービスを同一デバイスで利用することもできる。

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