米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)は,2003年に最も頻繁に用いられたスパム・メール件名のワースト10を,米国時間2003年12月31日に発表した。AOL社Anti-Spam Operations部門のスパム・メール監視チームが,「AOL」サービスのユーザーからスパム・メール報告の「Report Spam」ボタンで転送された迷惑メールを集計したもの。それによると,怪しげな教育関連,薬剤,シェイプ・アップ商品,金融関連などの勧誘メールが多かったという。

AOL社が発表したスパム・メール件名のワースト10リストは以下の通り。

1. 「Viagra online」:バイアグラのオンライン販売。同様に,睡眠薬のザナックス,抗ストレス薬のバリウム, ダイエット薬のゼニカル,関節炎処方薬のセレブレックス,抗ヘルペス剤のバルトレックス, 禁煙剤のザイバンなどのオンライン販売

2. 「Online pharmacy」:オンライン薬局。同様の件名として「online prescriptions」「meds online」など

3. 「Get out of debt」:借金返済などの金融関連。同様の件名として「special offer」など

4. 「Get bigger」:性機能治療商品。同様の件名として「satisfy your partner」「improve your sex life」など

5. 「Online degree」:オンラインの学習コース。同様の件名として「online diploma」など

6. 「Lowest mortgage rates」:不動産関連。同様の件名として「lower your mortgage rates」「refinance」「refi」など

7. 「Lowest insurance rates」:保険関連。同様の件名として「lower your insurance now」など

8. Work from home:在宅ワーク。同様の件名として「be your own boss」など

9. Hot XXX action:ポルノ関連。同様の件名として「teens」「porn」など

10. As seen on oprah:オプラ・ウインフレー氏の人気トーク・ショーで話題に取り上げられたとする件名

 AOL社はAOL会員に対し,ワースト10リストをもとにするなどしてスパム遮断機能のキーワードを詳細に設定し,もし迷惑メールが受信箱に届いた場合はReport Spamボタンを使って報告するよう呼びかけている。

 またAOL社によると,同社のスパム・メール・フィルタにより,2003年にAOL会員宛てに送られた迷惑メールのうち約5000億通を遮断できたという。「AOLアカウント1件あたり,毎日40通の迷惑メールを削減したことになる」(AOL社)

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