米InsightExpressと米UNspamが米国時間10月15日に,米国消費者を対象としたスパム・メールに関する調査結果を発表した。それによると,受信するスパム・メールの量がこの12カ月間に76%増えており,「消費者にとって電子メール確認作業が負担になっている」(両社)という。

 調査によると,個人宛スパム・メールの26%がポルノ関連であった。子供を持つ消費者の88%は,子供が不適切なメールを受け取ることについて「非常に心配」と回答している。この問題を解消するため,子供宛ポルノ・メールを遮断する方法を求める親の割合は96%にのぼる。

 こうしたスパム・メールの弊害について両社は,米上院議員のCharles E. Schumer氏のコメントを引用して説明する。「不適切なスパム・メールが日々の生活に影響を与え,子供にもおよんでいることに対し,米国民の懸念は高まりつつある。(電話によるセールス行為を抑制するため)米連邦取引委員会(FTC)が作成した“Do Not Call”リストと同様,“スパム・メール拒否”登録制度を実現する強力な法規制が必要とされていることは,消費者の懸念からもよく分かる」(Schumer氏)

 同氏のコメントと一致するデータが調査でも得られた。回答者の4分の3が“スパム・メール拒否”登録制度を支持しており,実現した暁には78%が「実際に登録する」と答えた。

 しかし,スパム・メールに対する法規制については米連邦議会で議論が行われている最中なので,現在フィルタリングなどの自衛手段に頼る消費者が増えている。ただし,そうした手法が「効果的」との回答は43%にとどまった。また回答者の5分の2は,「大手インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)は真剣にスパム・メール対策を講じていない」とみている。

 スパム・メールは,職場環境にも悪い影響があるという。電子メールを利用している社員の37%が「スパム・メールを受け取ると気が散る」と答えており,45%は「スパム・メールが減少すれば生産性が向上する」と考えている。「ポルノ・スパム・メールが職場環境を悪化させている」という回答者は62%で,社員は企業に対し,迷惑なポルノ・スパム・メールが社員に届かないよう対策をとることを求めている。

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