米MCIは米Boingo WirelessとWi-Fiホットスポットに関するローミング契約を結び,MCI社の遠隔アクセス・サービスの提供範囲を拡大するとともに,PDAでも利用可能とする。MCI社が米国時間12月16日に明らかにしたもの。これによりユーザーは,米国内に600カ所あるMCI社のホットスポットに加え,世界各地のホテルや空港,レストラン,展示会場など2600カ所のWi-Fiアクセス・ポイントからネットワーク接続が行えるようになる。
利用可能なWi-Fiアクセス・ポイントが増えることで,2004年後半には無線遠隔アクセス・サービスの提供範囲が日本,メキシコ,英国,南アフリカなど19カ国以上に広がる。世界各地で無線アクセスできるうえ,ネットワーク接続にPDAが使えるので,長距離/国際電話の料金を心配したり,パソコンを置く場所を探したりする必要がない。さらに,「技術サポートや料金請求をすべて1つの業者にまとめられるというメリットもある」(MCI社)。
MCI社では,2004年に有線/無線アクセス・ポイントを3000カ所増やす計画を立てている。
「利用可能なホットスポットを世界各地に増やし,旅行中や出張中もネットワーク接続を維持できるので,当社の顧客はどこにいようと重要なメッセージを受け取り損なうことがなくなる」(MCI社マーケティング担当上級副社長のNancy Gofus氏)
同サービスをPDAで利用できるようにするため,MCI社はクライアント・ソフトウエア「Access Manager」に機能拡張を施した新版を用意する。新版では,アクセス・ポイントの検索や無線接続の設定を自動的に行うことができ,ホットスポットの利用が簡単になるという。
なお同サービスをベースとするVPN接続は,現在140カ国以上で利用できる。
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