米MCIは,IP VPNリモート・サービスの提供開始を米国時間6月18日に発表した。企業は,MCIネットワークを活用することにより既存の企業ネットワークを透過的に拡張して,リモートの従業員との安全かつシームレスな接続が可能になる。

 新しいIP VPN Remoteネットワーク・サービスにより,企業は既存のフレーム・リレー,ATM,プライベートIP,IP VPNネットワークを利用してIPベースのネットワークにシームレスに移行できる。共通のIPプラットフォームを介した集約サービスの開発と配備を行なうConvergence Networking戦略において,同社のSecure Interworking Gateway(SIG)を活用している。SIGを利用することにより,IPとデータ・ネットワークの両方を集約が可能となり,高度なネットワーク・ベースのソリューションと新しい機能を企業と政府顧客に提供する。

 同サービスを利用するために,顧客はハードウエアの購入やリースを行なう必要がない。ネットワーク内に配備したセキュア・ゲートウェイは,MCIが所有して管理,監視,アップデートする。同社が従来提供してきたCPEベースのリモート・アクセスVPN製品では,装置が顧客側に配備されていた。

 ユーザーは,1度のログインでMCIのIP VPNリモート・ネットワーク・ベースド製品にアクセスできる。Access Managerソフトがユーザーとゲートウエイ間に暗号化したトンネルを確立し,ユーザーは,このトンネルを介してインターネットに接続できる。ゲートウエイは自動的に接続の認証を行ない,エッジ・サーバーからユーザー名,パスワードを要求する。アクセスが許可されると,通信は固定仮想回線(PVC)またはIPSecトンネルを経由して顧客のデータ・ネットワークに導かれる。

 同サービスは,まず米国内と米国ベースの多国籍企業向けに提供される。同社は,同サービスの欧州,アジア太平洋地域に向けた展開を計画している。サービス料金には,サポートするリモート・ユーザー数をベースとしたリモート・アクセス料,ポートの料金が含まれる。

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