富士通は,回転速度5400rpmの2.5インチ・シリアルATA(SATA)ハード・ディスク装置(HDD)のサンプル品を,互換性試験用として一部顧客に出荷した。同社の米国法人Fujitsu Computer Products of Americaが米国時間12月10日に明らかにしたもの。同HDDは,ブレード・サーバー,モバイル機器,消費者機器向け製品という。

 同HDDは,米Marvellの開発したSATA Extensions(SATA II,Phase I)対応の単一チップSOC「88i6535 Serial ATA SOC」を搭載。同SOCの処理速度は1.5Gbpsで,ブリッジLSIを使用する必要がない。ネイティブ・コマンド・キューイングにも対応しており,ハード・ディスク・コントローラに最大32個の命令を保持(キューイング)して順番を入れ替えられる。「キューイング機能により,HDDの全体的な性能を大幅に高められた」(Fujitsu Computer社)

 「Marvell社のSOCを採用することで,SATAに必要な性能とキューイング機能を実現できた。これにより,SATAを比較的安価なモバイル向け高性能インタフェースの標準にすることが可能になる」(Fujitsu Computer社主任技術者のChuck Nielsen氏)

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