米LSI Logic Storage Systemsは米国時間10月28日,シリアルATA対応の企業向けストレージ・システムを発表した。

 シリアルATAはハード・ディスク装置やDVD,CD-R/Wなど内蔵ストレージ機器を,パソコンやサーバー,ネットワーク・ストレージのマザーボードと接続するための仕様。複数の信号線を利用するパラレル・インタフェースに比べ,信号線同士のデータのずれや不ぞろい,電圧が影響を与え合う現象(クロストーク)が起らないといったメリットがある。またピン数が少なく,コンピュータ・メーカーがシステムの設計を簡易化でき,開発コストを抑えることができる。

 今回発表したストレージ・システムは,米MaxtorのシリアルATAハード・ディスク装置(HDD)「MaXLine」を用い,LSI Logic社のコントローラ「5884」や「2882」を組み合わせる。中~大企業向けに,「Fibre Channelベースのストレージ・システムが現在提供している可用性や管理性,データ保護機能,ソフトウエアおよびハードウエア機能を損なうことなく,低価格のストレージ環境を提供する」(LSI Logic社)としている。

 また米SGIは,LSI Logic社が開発したストレージ・システムをSGIの「InfiniteStorage」ブランドの下で販売することを,同日発表した。製品名は「SGI TP9300S」と「同TP9500S」。SGIのサーバーや共有ファイル・システムと連携し,複数の階層からなるストレージ構造内のデータ移動を自動化する。

 SGI TP9300Sと同TP9500Sは,2003年12月半ばにリリースする。価格は,エントリ・レベルの構成が約4万ドルから。

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[発表資料(LSI Logic社のプレス・リリース)]
[発表資料(SGIのプレス・リリース)]