米Seagate Technology社は2002年6月24日,ディスク1枚当たりの容量を従来の40Gバイトから60Gバイトに高めた3.5インチ型ハード・ディスク「Barracuda ATA V」シリーズを同年7月から順次出荷開始すると発表した。同年秋には,150Mバイト/秒のデータ転送が可能な新インタフェース「Serial ATA」対応のモデルを追加する。

 従来型のIDEインタフェースに対応したUltra ATA/100対応版とSerial ATA対応版の2種類がある。いずれもディスクの回転速度は7200回転/分,最大内部転送速度は570Mビット/秒,実効転送速度は27M~44Mバイト/秒。平均シーク・タイムは9ミリ秒。軸受けは流体動圧軸受けを採用している。

 Serial ATAに対応するのは,80Gバイト容量の「ST380023AS」と120Gバイト容量の「ST3120023AS」の2製品。インタフェースの違いに加えて,キャッシュ・メモリの容量を増やしている。従来のIDEインタフェース版のキャッシュ容量が2Mバイトであるのに対し,Serial ATA対応モデルは8Mバイトとなる。

 なお,3.5インチ型でディスク1枚当たりの容量が60Gバイトのハード・ディスクは,すでに韓国Samsung Electronics社が2002年5月末に出荷を始めている。ノート機向けの2.5インチ型ディスクのみを手がける東芝も,ほぼ同じ記録密度に相当する2.5インチ型製品を2002年5月末に出荷している。

(高橋 秀和=日経バイト)