Serial ATA作業部会と米Seagate Technology,米Intelが米国時間8月29日に,ハード・ディスク装置(HDD)をつなぐ新たなインタフェース規格「Serial ATA」の仕様の第1版「1.0」をリリースしたことを明らかにした。「現行のUltra ATA/100の後継に据えたい」(Seagate社)。

 Serial ATA作業部会がサンノゼで開催中の「Intel Developer Forum(IDF)」で正式発表したもの。Seagate社とIntel社がSerial ATA対応HDDのプロトタイプの公開デモを行った。仕様はSerial ATA作業部会のWWWサイトから無償でダウンロードできる。

 第1弾として,Ultra ATA/100を1.5倍高速化した転送速度150Mバイト/秒の仕様を策定した。これを2005年には300Mバイト/秒に引き上げる計画で,最終的には600Mバイト/秒まで段階的に高速化する。

 HDDのほか,DVDやCD-R/Wを,パソコンやサーバー,ネットワーク・ストレージのマザーボードと接続する。パラレル・インタフェースと比べてピン数が少なく,コンピュータ・ベンダーがシステムの設計を簡易化でき,開発コストを抑えることができる。Ultra ATA/100のソフトウエアやドライバとの互換性も確保している。

 Seagate社はSerial ATA対応のHDD製品第1弾として,現行の「Barracuda ATA」製品をSerial ATA対応として投入する予定である。発売は2002年。

 「今後,パソコンや民生機器のSerial ATA対応が進む。すべてのベンダーは,2003年第4四半期までにはSerial ATAへの移行を完了するよう計画を立てておく必要がある」(米Gartner主席アナリストのJohn Monroe氏)。

 Seagate社,Intel社はSerial ATA規格の創設メンバー。両社のほか,米API Technologies,米Dell Computer,米IBM,米Maxtor,米Quantumの計7社で開設した。Serial ATA作業部会は,パソコン・ベンダーやネットワーク関連,半導体ベンダーなど現在74社が参加している。

 なおパラレルのATAを高速化する試みとしては,米Maxtorが米国時間7月31日に,ATAインタフェース規格「Ultra ATA/133」の仕様をリリースしている。コンピュータとハード・ディスク装置(HDD)間を最大133Mバイト/秒のデータ転送速度で結ぶ。

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[Seagate社の発表資料]
[Intel社の発表資料]
[Serial ATA作業部会の発表資料]