ストレージ機器をつなぐためのインタフェース規格「Serial ATA」推進に取り組む業界団体,Serial ATA Working Groupが米国時間2月25日に,「Serial ATA II」の作業部会「Serial ATA II Working Group」を発足させた。サンフランシスコで同日開幕した米Intelの開発者会議「Intel Developer Forum(IDF), Spring 2002」で明らかにしたもの。

 「機能追加,速度向上を図り,2001年8月にリリースした『Serial ATA 1.0』を強化する」(Serial ATA Working Group)

 Serial ATA IIの策定作業は次の2段階を経て行う計画である。まずは2002年後半にサーバーとストレージ機器の機能に関する仕様を定める。これらの機能が製品に採用されるのは2003年になる,と同作業部会では見込んでいる。次いで2003年後半に転送速度に関する仕様を定める。こちらの仕様が製品に採用されるのは2004年後半という。またSerial ATA IIに準拠した製品は,Serial ATA 1.0と完全互換するほか,今日のOSとのソフトウエア互換性も確保するという。

 Serial ATA II Working Groupのプロモーター企業は,Serial ATA Working Groupのそれと同じ,Intel社,米APT Technologies,米Dell Computer,米Maxtor,米Seagate Technologyである。これ以外のメンバー企業には,米Adaptec,米EMC,アイルランドEurologic,富士通,米IBM,米Infineon Technologies North America,米LSI Logic,米Marvell,米Molex,NEC,米Promise,米QLogic,米Sierra Logic,米Silicon Image,米Western Digitalがある。
 
 Serial ATAは ハード・ディスク装置,DVDやCD-R/Wを,パソコンやサーバー,ネットワーク・ストレージのマザーボードと接続する。複数の信号線を利用するパラレル・インタフェースに比べ,信号線同士でのデータのずれや不ぞろい,電圧が影響を与え合う現象(クロストーク)が起らないといったメリットがある。またピン数が少なく,コンピュータ・ベンダーがシステムの設計を簡易化でき,開発コストを抑えることができる

 2001年08月にリリースしたSerial ATA 1.0は,Ultra ATA/100を1.5倍高速化した転送速度150Mバイト/秒の仕様。同作業部会はすでに,「2005年に300Mバイト/秒に引き上げ,最終的には600Mバイト/秒まで段階的に高速化する」という計画を明らかにしている。

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