米QUALCOMMと京セラの米国法人Kyocera Wirelessは,QUALCOMM社のBREWプラットフォーム向けチャット・ソリューション「BREWChat」対応携帯電話機の提供に関して協力体制を敷く。両社が米国時間12月9日に明らかにしたもの。

 BREWChatは,トランシーバのようにボタンを押すとすぐに会話ができるQUALCOMM社のPush-to-Talk技術「QChat」を基盤に開発した。個人対個人のほか,個人対グループの通話が可能。標準的なVoIP技術を使って,CDMA2000 1X Release 0ネットワーク向けに設計しており,第3世代(3G)サービスのCDMA対応無線デバイスで利用できる。

 BREWChatのクライアント・ソフトウエアは,QUALCOMM社のBREWプラットフォーム向けに開発,携帯電話用ソフトウエアの無線アップグレード,利用者のグループ管理,一時的なグループ構成などが行える。

 QUALCOMM社は,BREWChatの商用展開を2004年1~3月期に予定している。Kyocera Wireless社では,「BREWChat対応携帯電話機を複数の価格帯で提供し,世界各国のネットワーク事業者と,さまざまなユーザ層をターゲットにする」 (同社)としている。

 ネットワーク事業者は,ネットワークをアップグレードすることなしに,CDMAやBREWへの投資を活用できる。またBREWChatの導入によって,コール・セットアップ機能を強化し,帯域幅を節約できるといったメリットがあるという。

 QUALCOMM社Internet Services部門担当社長のPeggy Johnson氏は,「Push-to-Talk機能は,急を要するモバイル通信のカギとなる技術だ。この機能が広く普及すれば,消費者や企業の需要は自ずと高まるだろう」と説明する。

 なお米メディア(CNET News.com)によると,既に多数の携帯電話機メーカーがPush-to-Talk機能を提供している。フィンランドのNokiaは最近, Push-to-Talk機能を搭載した機種「5140」をリリースしており,2005年までに同社の全機種に同機能を搭載する計画を明らかにした。ドイツSiemensも今後数カ月以内に,同機能対応機種を発表する予定である。なお,米Motorolaは10年前から同機能を提供している。

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