米QUALCOMMは,携帯電話機用アプリケーション・プラットフォームの新版「BREW 3.0」とソフトウエア開発キット「BREW SDK」を米国時間11月18日に発表した。

 新しいクライアント・ソフトは,取り外し可能なストレージ・メディアやシリアル・インタフェースのサポートを追加してマルチメディア機能を増強している。また,通信事業者は,ビジネス・ユーザー,企業を含むユーザーのグループ管理が可能となり,カスタマイズした無線アプリケーションを提供しやすくなる。

 BREW 3.0対応の携帯電話機のユーザーは,メモリー・カードからサウンド・ファイル,写真といったマルチメディア・コンテンツにアクセス可能になる。また,シリアル・インタフェース・ポートをサポートするため,シリアルかUSBケーブルを使ってキーボードやPCに簡単に接続できるようになる。両機能ともセキュリティが施されている。

 通信事業者は,グループ管理機能を利用して無線アプリケーションの管理ができるようになる。自動インストールとアップグレード機能を使えば,ターゲットとする顧客の携帯電話に直接アプリケーションをインストールすることも可能。

 BREW SDK開発ツールは,新しいBREW SDKシミュレータを提供するため,デバイスごとの仕様情報をBREW SDKシミュレータに入力すれば,実際の条件に近い形でアプリケーションのテストができる。その他の新しい機能には,アプリケーション開発の効率化を図るための「MIF(Module Information File)」,「BAR(BREW Application Resource)」コマンドライン・コンパイラなどがある。

 同社は,携帯電話機の製造メーカー向けに現在BREW 3.0を提供している。同クライアント・ソフトを搭載した携帯電話機は,2004年夏に出荷が見込まれる。BREW 3.0 SDKに興味があるBREW開発者は,同社WWWサイトから無償でダウンロードできる。

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