米IDCは英国時間12月5日に,2003年第3四半期における西欧の携帯電話市場に関する調査結果を発表した。それによると,同市場の出荷台数は約2538万8000台で,前年同期からほぼ横ばいとなった。ローエンドのプリペイド携帯電話,カメラ内蔵型モデル,カラー・ディスプレイ搭載モデルなどの価格低下は,新規ユーザーの加入よりも,すでに携帯電話を利用しているユーザーの買い換えを促したようだ。

 機能別でみると,当期に出荷された携帯電話機の2台に1台がカラー・ディスプレイだった。Bluetooth対応は18%,カメラ内蔵型は14%だった。

 メーカー別でみた場合,首位はフィンランドのNokiaで,出荷台数ベースのシェア50%以上を獲得した。しかし,ドイツのSiemens,ソニーとスウェーデンEricssonの合弁企業Sony Ericssonが健闘したため,Nokia社のシェアは前年同期と比べて約4ポイント縮小した。上位5社のメーカーの中で,シェアが拡大したのは,Siemens社とSony Ericsson社だけだった。

■2003年第3四半期における西欧携帯電話市場のメーカーTOP5

順位  メーカー      2003年3Q    シェア   2002年3Q    シェア   伸び率
                    出荷台数             出荷台数

1     Nokia         12,844,725   50.6%   13,959,355   55.0%   -8.0%
2     Siemens        4,750,500   18.7%    3,707,000   14.6%   28.1%
3     Sony Ericsson  2,265,000    8.9%    1,500,000    5.9%   51.0%
4     Motorola       1,762,250    6.9%    2,165,000    8.5%  -18.6%
5     Samsung        1,025,100    4.0%    1,350,000    5.3%  -24.1%

      その他         2,740,770   10.8%    2,703,652   10.7%    1.4%

      合計          25,388,345  100.0%   25,385,007  100.0%    0.0%

出典:IDC 

 2003年第4四半期は,Sony Ericsson社の「P900」,Nokia社の「6600」,Siemens社の「SX1」といったハイエンド・モデルが,クリスマスの買い換え時期をねらって競争を繰り広げる。「これらのハイエンド・モデルは,多機能のスマートフォンでユーザー1人あたりの収入増をねらう大手ISPの積極的なサポートを得るだろう」(IDC欧州携帯電話機部門リサーチ・アナリストのMatthew Dunn氏)

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