米Gartnerが英国時間6月11日に,西欧のカメラ付き携帯電話機市場に関する調査結果を発表した。それによると,西欧で販売される携帯電話機のうちカメラ内蔵型の占める割合は2003年時点で9%だが,2006年には66%に増えるという。携帯電話機に装着するカメラ・アクセサリもわずかながら残るが,2006年の販売台数は携帯電話機全体の1.5%程度となる。

 Gartner社アナリストのCarolina Milanesi氏は,「メーカーが需要を過小評価したせいで,当初カメラ用LSIとカラー・ディスプレイが不足し,カメラ内蔵型携帯電話機の平均価格が上昇傾向にあった。しかし,こうした問題はすでに解消した」と説明する。「価格が安定したことに加え,西欧のキャリアがマルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)を推し進めている影響で,カメラ付き携帯電話機の価格は下がり始め,購入しやすくなっている」(同氏)

 同社では,「2003年を通じて,カラー・ディスプレイとカメラを備える製品の人気が高く,西欧市場での買い替え需要を牽引する」と指摘する。「技術進歩によりカメラ付き電話機の機能が向上し,高解像度のカメラ,ズーム/フラッシュ機能などを備える新機種が次々と市場に登場している」(同社)

■西欧におけるカメラ機能付き携帯電話機の市場全体に対する割合

                           2002年   2003年   2004年    2005年    2006年

カメラ内蔵型携帯電話機      1.7%      9%     21%      45%      66% 
カメラ・アクセサリ          0.8%    5.0%    3.0%     2.0%     1.5% 

カメラ機能付き              2,626   14,770   24,657    48,159    70,036 
携帯電話機の総販売台数
(単位:1000台)

出典:Gartner社Dataquest(2003年4月)

 またGartner社は,アジアのメーカーが少しずつ西欧市場に進出するとみる。「アジアのメーカーはカラー・ディスプレイ,デジタル画像処理,バッテリなど高度な技術的知識を持っており,かなり優勢だ。これは,日本や韓国などで進んだサービスを提供する市場がすでに確立しているからだ」(Gartner社)

 「アジア・メーカーのブランドは西欧エンド・ユーザーにあまり知られていない。このことはかつて弱点であったかもしれないが,すでに強みに変化している。というもの,ブランドへのこだわりがまだ強くないので,キャリアが自社ブランドを前面に押し出せるのだ」(Milanesi氏)

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