米Markle Foundationは米国時間11月13日,中国のインターネット利用に関する調査結果を発表した。それによると,中国では需要拡大,ISP間の競争,政府のIT戦略などがインターネット成長のけん引役になっているという。

 今回の調査は,中国の12都市でインターネットの利用者2457人と非利用者1484人にインタビューを実施し,さらに5都市で事例研究を行ったもの。

 Markle Foundation社は,中国のインターネット成長を支える要因について,主な特長を以下のように分析する。

・ISP:ISP同士の競争が,価格低下とサービス/アクセスの向上につながっている。国営企業が多い他のセクターと異なり,ISPはすべて民間企業

・政府:IT産業が中国の経済成長に不可欠であると考えており,官庁内でもIT化を促進するプログラムを作成している

・個人ユーザーの需要拡大:娯楽やコミュニケーションを求める若者の需要が多い

・インターネット喫茶:大都市のインターネット喫茶は,政府の意向により減少している。地方都市では増加ペースにある

 中国のインターネット利用者数は,2003年7月の時点で6800万人に達しており,これは米国に次ぐ世界第2位の利用者数となる。「中国でのインターネット利用は爆発的に増えており,経済成長につながる可能性を秘めている」(米Markle Foundation会長のZoe Baird氏)

 その他の主な調査結果は以下のとおり。

・インターネット・ユーザーの71%,非インターネット・ユーザーの69%が「インターネットで,政策に対する考えを示すことができる」と回答

・全回答者の54%が「オンラインのコンテンツは信頼できる」とする一方で,50%は「インターネットの管理・統制が必要」としている

・性別では,インターネット・ユーザーの56%が男性。年齢層別では,17~24才が58%を占める

・インターネットの利用方法は,「ニュース」が57%,「電子メール」が51%,「音楽」が49%,「インスタント・メッセージング」が36%,「オンライン・ショッピング」が5%,「オンライン・バンキング」が2%

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