カナダのNortel Networksは,米マサチューセッツ工科大学(MIT)および英British Telecom(BT)と協力して,公衆無線LANアーキテクチャを試験運用する。Nortel Networks社が現地時間10月29日に明らかにしたもの。この新しいアーキテクチャによって,「大幅にコストを削減しつつ,Wi-Fi(IEEE 802.11b)ネットワークと有線広帯域ネットワーク間の高速データ転送が可能になる」(Nortel Networks社)としている。

 Nortel Networks社の公衆無線LANアーキテクチャは,スマート・アンテナを備えたピア・ツー・ピアのアクセス・ポイント,組み込み型ルーター,適応型ルーティング機能,セキュリティ機能からなる。無線ネットワーク上のデータを有線広帯域ネットワークに伝送できるようになるため,「T1型の接続など高価なバックホール回線の敷設を最小限にとどめることが可能。これにより,バックホール回線のコストを70%,インストールと委託業務のコストを75%削減できる」(同社)。

 Nortel Networks社Wireless Networks部門担当社長のPascal Debon氏は,「BT社とMITとの試験運用を通じて,企業やサービス・プロバイダが,公衆ネットワークと私設ネットワークをシームレスに統合できるようにする」と説明した。

 BT社との試験運用では,同社の大手顧客にVPN(仮想私設網),インターネットの閲覧,電子メール,マルチメディア・メッセージングなどのサービスを提供する。「ノート・パソコン,PDA,携帯電話などを使って,いつでも,どこからでも高度なサービスを利用できるようにする」(両社)

 また,MITとの試験運用では,同大学の学生やスタッフなどが,インターネット,電子メール,学内ネットワークのファイルやコンテンツに,さまざまなデバイスから安全かつ自由にアクセスできるようにする計画だ。いずれの試験運用も2004年初め頃に完了する予定である。

 ちなみに試験運用では,Nortel Networks社の「Wireless Access Point 7220」「Wireless Gateway 7250」「Optivity Network Management System」などを用いる。

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