米SBC Communicationsは米国時間8月6日,Wi-Fi無線LANのインターネット接続を提供する無線LANアクセス・ポイント事業計画について明らかにした。今後3年間で,2万カ所以上の無線LANアクセス・ポイントを設置する。「かつてないほど広い範囲にサービスを提供し,ユーザーが家庭,職場,屋外で広帯域接続を楽しめるようにする」(SBC社)

 今回発表したWi-Fiサービス「FreedomLink」は,2006年末までに利用可能にする。SBC社がサービスを提供している13州のホテルや空港,コンベンション・センターなどで展開する。年内に数百の施設で1000カ所以上の無線LANアクセス・ポイントを設置する予定。2004年末までに2000の施設で9000カ所以上,2006年末までに6000の施設で2万カ所以上の設置を目指す。その後も拡大を継続し,第3世代(3G)携帯電話ネットワークとの統合も進める。

 無線LANアクセス・ポイントの設置には各種の資産を活用するという。既設の公衆電話回線インフラを利用してアクセス・ポイントを構築し,ネットワークへのデータ転送には,DSLやT1サービスを使う。「既存のネットワーク・インフラを利用することにより,低いコストで迅速にWi-Fi導入を進めることができる」(SBC社)

 FreedomLinkでは,米WayportのWi-Fiサービスとのローミングも提供する。SBC社の顧客は,国内650カ所以上のWayport社のWi-Fiサービスにアクセスできる。SBC社はサービス拡張を図り,その他のWi-Fiプロバイダとのローミング提携も検討しているという。

 3G携帯電話ネットワークとの統合については,米Cingularが協力する。SBC社とCingular社は,有線LAN,Wi-Fi無線LAN,GPRS/EDGEネットワーク間のローミングに関して共同で取り組む。FreedomLinkでは2~5Mbps,Cingular社のEDGEネットワークでは最大170kbpsのデータ伝送速度を目指す。Wi-Fiと3Gの統合サービスは,2004年下半期~2005年上半期に利用可能になる予定。

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