NECの米国法人NEC Americaと米Motorolaが,無線LAN,VoIP,携帯電話を統合する通信ソリューションの共同開発に向けて提携すると米国時間8月5日に発表した。両社が共同開発する通信ソリューションは,2004年後半にも利用可能にするという。なお契約金額など詳しい取引条件については明らかにしていない。

 同ソリューションは,有線および無線の音声/データ・ネットワークを統合しようというもの。企業ネットワーク,公衆携帯電話ネットワーク,802.11技術(Wi-Fi)対応無線LANホットスポットにまたがって利用可能な,音声/データ・サービスの提供を目的とする。Motorola社の中核モバイル・コンポーネントに,NECの無線LANインフラとNEAX製品系列の企業向け通信プラットフォームを組み合わせて実現する計画という。

 両社はこのソリューションを通じ,電子メール,スケジュール,企業ディレクトリ,ショート・メッセージング・システム(SMS)など,主な業務用アプリケーションへのモバイル・アクセス機能の提供を予定している。ユーザーは端末を1台持ち歩くだけで,各ネットワーク間でローミングし,ネットワークの種類の違いを意識することなく通信できるようになる。

 「同ソリューションを利用することで,ネットワーク管理経費や利用料金の削減,機器の集約を実現し,コストを減らすことができる。企業ネットワークの内外でスムーズに無線アクセスを利用できるので,モバイル性が向上し,業務用ネットワークへのアクセスが容易になる結果,ユーザーの作業効率も高まるだろう」(両社)

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