米Time Warner(旧名称「AOL Time Warner」)は2003年第3四半期決算を米国時間10月22日に発表した。売上高は前年同期比4%増の103億ドル。America Online(AOL)事業とFilmed Entertainment事業の不振を,好調なNetworksおよびCable事業が相殺するかたちとなった。純利益は5億4100万ドル(希薄化後の1株当たり利益は12セント)で,前年同期の純利益5700万ドル(同1セント)から大幅に増加した。

 償却費用を除いた場合の営業利益は前年同期比9%増の23億ドル。また,第3四半期末時点の総負債額は241億ドルで,前期末時点の242億ドルからやや減少した。

 Time Warner社CEOのDick Parsons氏は,「当期は負債削減目標を達成するなど,堅実な結果を出すことができた。2004年には負債額を約200億ドルまで減らせるように,今後も資産売却やフリー・キャッシュ・フローの生成に努める」と述べた。

 AOL事業の売上高は21億ドルで,前年同期の22億ドルから5%減少した。「会員による収入は増加したが,広告などその他による収入が減少した」(同社)。会員による収入は前年同期比4%増。為替の影響による欧州の加入者増と,料金値上げが貢献した。しかし米国会員による収入は,広帯域加入者の増加を狭帯域加入者の減少が相殺し,前年同期からほぼ横ばいとなった。広告収入は同33%減少。その他の収入も,プロモーションを控える戦略を打ち出していることから同63%減少した。

 2003年9月末時点のAOLサービスの会員数は,米国が2470万人,欧州が630万人。米国では前年同期から200万人減少し,欧州では11万3000人増加した。

 Cable事業の売上高は前年同期比10%増の19億ドル。会員による収入は同13%増加した。高速データ・サービスとデジタル・ビデオ・サービスの提供,会員数増加,ケーブル料金の値上げなどが収入増に貢献した。広告収入は同24%減だった。

 Filmed Entertainment事業は前年同期比7%減の25億ドル,Networks事業は同10%増の20億ドル。Music事業は前年同期から2500万ドル減少して9億6000万ドル。Publishing事業は同2%減の13億ドルとなった。

 また同社は,2003年通期の見通しも明らかにした。2003年第2四半期決算時に発表した予測から変わっておらず,売上高は前年の410億ドルから5%前後増加する見通しだ。AOL事業の売上高は前年の91億ドルから5%前後減少,広告収入は前年の13億ドルから35%~45%落ち込むとみる。

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