Linuxの普及促進を目指す非営利団体Open Source Development Lab(OSDL)は,「多数のLinux関連企業が,通信業界向けのLinux機能拡張仕様『Carrier Grade Linux Requirements Definition version 2.0(CGL 2.0)』へのサポートを進めている」と米国時間10月13日,発表した。
Linuxディストリビュータでは,ミラクル・リナックス,米MontaVista Software,ドイツのSuSE Linux,ターボリナックスが同仕様への対応を表明しているという。
CGL 2.0は,主にセキュリティ,可用性,クラスタリングについて強化を図った。フランスのAlcatel,米Cisco Systems,スウェーデンのEricsson,富士通,NEC,フィンランドのNokiaなどのネットワーク・プロバイダが仕様策定に協力した。同仕様の条件は3つの優先度に大別される。
優先度1の条件は,Linuxベースの通信システムについて定義する。ハードウエアのサポートやカーネル・デバッガなどのツールをはじめ,Linux Standard Base(LSB),POSIX,Service Availability Forum(SAForum),Hardware Platform Interface(HPI)といった他の仕様との互換性などが含まれる。
またOSDLは,LinuxディストリビューションがCGL 2.0の優先度1の条件を満たしていることを証明するための,新たな登録手続きについても業界の同意を得たことを明らかにした。
OSDLのCEO,Stuart Cohen氏は「主要なネットワーク装置プロバイダとLinuxディストリビュータのサポートを受け,CGLが,Linuxを通信業界の新たな優位プラットフォームに押し上げる推進エンジンになると確信している」と述べた。
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