米MontaVista Softwareは,通信事業に対応したLinuxディストリビューションの新版「MontaVista Linux Carrier Grade Edition 3.1(CGE)」を米国時間10月13日に発表した。

 同製品は,「Open Source Development Lab(OSDL)Carrier Grade Linux Specification」に完全に準拠しており,通信事業級の環境における配備に向けてソフトスイッチ,SGSN,GGSN,VoIPゲートウェイなどにおける使用をターゲットにしている。先ごろ発表された「OSDL Carrier Grade Linux Requirements Definition 2.0」への対応も予定されている。同製品は,AIS AMF(Availability Management Framework)仕様に準拠するApplication Heartbeatを実装する。

 新版では,IAだけでなくIBM PowerPCアーキテクチャのサポートが追加された。AdvancedTCA(PICMG 3.0 Advanced Telecommunications Computing Architecture)に完全に対応するとともに,クラスタリング向けにService Availability(SA)Forumのアプリケーション・インタフェースを実装している。

 新機能として,一貫したネーミングを提供する「Persistent Device Naming」機能,同機能に対応する標準デバイス・ドライバのインタフェース・モデル「SysFS」,POSIXスレッドのスケーラビリティを改善するNPTLサポートを強化している。また,Oracle 9i, Release 2との動作も確認されている。

 ちなみに,仏Alcatel社は,先ごろCGEに関してMontaVista社と複数年契約を締結しており,日本電気(NEC)も,同社の携帯電話事業者向けAdvanced-TCAプラットフォームに「MontaVista Linux Carrier Grade Edition」を採用したと発表している。

 MontaVista Linux Carrier Grade Edition 3.1は,同年第4四半期にリリースされる。同製品の詳細は,同社WWWサイトに記載されている。

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