米MontaVista Software社は,米Motorola社が先ごろ発表した多機能携帯電話機「Motorola A760」のOSに「MontaVista Linux」が選ばれたことを米国時間3月19日に発表した。

 「Motorola A760」は,Linux/Java技術の両方に対応した世界初の携帯電話。PDA,デジタル・カメラ,ビデオ・プレイヤ,MP3プレイヤ,スピーカフォン,メッセージング,インスタント・インターネット・アクセス,Bluetooth無線機能を搭載している。同製品は,米ニューオリンズで開催中の「CTIA Wireless Conference」にて展示されている。

 MontaVistaは,1月に商用Linuxオペレーティング・システムとクロス開発環境をセットにして,携帯電話,高解像度デジタルTV,セットトップ・ボックス,テレマティックスを含む家電機器をターゲットにした「MontaVista Linux Consumer Electronics Edition(CEE)」を発表している。家電機器向けの機能として,電源管理機能の強化,ネットワーキング・サポート,パフォーマンスの改善,ストリーミング・メディアの最適化を図るとともに,カーネルとアプリケーションのXIP(eXecute In Place)に対応している。

 MontaVista Linuxは,既に携帯電話,PDA,高性能リモート・コントロール,高解像度テレビ,PVR,セットトップ・ボックス,デジタル・レシーバ,テレマティックス,楽器,ゲーム機,カラオケ・システム等を含む数百の製品開発に使用されている。Sony,NECもMontaVista Linux搭載の新製品を発売している。業界をリードする複数の携帯電話メーカーもMontaVista Linuxベースの次世代携帯電話を開発している。

 米IDCの報告によれば,組み込み型オぺレーティング・システム環境の市場は,年平均成長率(CAGR)18.6%で拡大し,2006年までに14億ドルに到達するという。

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