米Intelは台湾で現地時間10月15日に,次世代携帯電話機向けメモリー・システム「StrataFlash Wireless Memory System」を発表した。カメラ画像やオーディオ/ビデオ・ファイルなど,大容量データを扱う組み込みアプリケーションに向ける。

 StrataFlash Wireless Memory Systemは,1つのメモリー・セルで2倍の情報量を保存できるIntel社の多値セル(MLC:Multi-Level Cell)技術を基盤とする。また,開発者が必要とするコードの実行,データ保存,RAM用のワーク・エリアという3つのメモリー機能を備える。

 動作電圧は長時間の連続動作が可能な1.8V。最大1Gビットのメモリー構成が可能である。大きさは8mm×11mmで,「携帯電話機メーカーの製品開発を簡略化できる」(Intel社)

 同社上級副社長兼 Wireless Communications and Computing Group事業担当ジェネラル・マネージャのRon Smith氏は,「StrataFlash Wireless Memory Systemは,データの大容量化が急速に進む次世代携帯電話機のために設計した。当社は,製品の省スペース化と多機能化によって,メーカーのコスト削減と,設計の簡素化を支援する」と説明した。

 同メモリー・システムは,Intel社の「Stacked Chip Scale Packaging(Stacked-CSP)」ファミリの新製品。Stacked-CSPでは,共通のピン配置と,同一のフラッシュ・ファイル管理ソフトウエアを採用することで,携帯電話機への実装と製品アップグレードを容易に行えるようにしている。

 StrataFlash Wireless Memory Systemの価格は,組み合わせるフラッシュ・メモリーとRAM仕様によって異なる。現在サンプル出荷中で,量産出荷は2004年2月を予定する。

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