米EDSと米Opswareは,効率的なデータ・センター運用のための標準規格「Data Center Markup Language(DCML)」を米国時間10月14日,提案した。データ・センターの主要な構成部品間で行われる情報のやり取りを簡素化し,業界全体にわたるユーティリティ・コンピューティングの基盤構築を目指すとしている。

 上記2社のほか,米Computer Associates,米BEA Systems,米Mercury Interactive,米Tibco,米Akamai Technologies,米NetIQ,米Tripwireなどと,Fortune 1000企業の数社などが,同規格を推進する組織「DCML Organization」を同日正式に立ち上げた。

 DCMLは,XMLをベースにする。データ・センターで利用されるUNIX,Linux,Windowsなどを搭載したサーバー,ネットワーク部品,ストレージ部品,ソフトウエア・インフラ,アプリケーションといった幅広い要素を対象とする。これら構成要素の移行や統合を可能にし,相互にやり取りするための共通言語を提供する。

 DCMLを取り入れることにより,企業は,ユーティリティ・コンピューティングの恩恵を享受できる。データ・センター構築,統合,移行や,ソフトウエア・ポリシー管理,データ・センター・プランニングに必要な費用と時間を削減し,管理システムの導入やアップデートを簡単に行える。また,重要な設定情報や再構築のための詳細な指示を取得することで,素速い災害復旧が可能となる。

 ちなみに米メディアの報道(CNET News.com)によると,最初のDCML草案を今年末までに完成し,無償で各企業に配布する予定である。Opsware社は,DCMLに準拠したソフトウエアのリリースを2004年初頭と見込んでいる。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]