米VERITAS Softwareは,企業データ保護に向けたロードマップを米国時間5月6日,明らかにした。「ユーティリティ・コンピューティングの基盤を提供し,アプリケーションやデータのオンデマンド配信を支援する」(VERITAS社)

 ユーティリティ・コンピューティングとは従量課金方式のサービスで,ユーザーは必要なときに必要な分だけコンピュータ・リソースを入手し,使用した分だけ料金を支払う。

 VERITAS社がロードマップで明らかにした製品と技術は主に以下の通り。

・デスクトップ/ノート・パソコン向けのデータ保護とデータ同期技術「Project Shadow」(開発コード名)をバックアップ・ソフトウエア「VERITAS NetBackup」「VERITAS Backup Exec」のオプションとして2003年下半期にリリースする。Project Shadowは,企業が所有する多数のデスクトップ・パソコンやノート・パソコンに格納している情報を保護するための手法を提供する。従来のデスクトップ/ノート・パソコン向けのデータ保護では,専用のバックアップ・サーバーが必要だったが,Project Shadowでは既存のファイル・サーバーを用いるため,「新たな費用は発生しない」(VERITAS社)。また,IT管理者に頼ることなく,ユーザーが各自で所有データの保護,復旧,同期を行える。圧縮機能やオフラインの復旧機能を備えるほか,モバイル・ユーザーが外出先からデータの保護と復旧を実行できる。

・2003年下半期にリリースするVERITAS NetBackupの次期版に,合成式バックアップ機能と仮想バックアップ・クライアントを組み込む。合成式バックアップ機能は,データの追加変更部分をディスクに記録し,定期的にテープ上の総合バックアップ・イメージと置き換える。仮想バックアップ・クライアントは,VERITAS NetBackupの多数のオプションを1つのプロセスにまとめて自動化する。

・VERITAS NetBackupとVERITAS Backup Execに対応したデータ管理ツールを2003年下半期に利用可能にする。規定に基づいて,ハード・ディスク,光学メディア,テープにデータを保存し,即座にデータを回収するための索引機能や検索機能を提供する。

 また同社は,ストレージ管理のロードマップも同日発表した。ボリューム管理技術「VERITAS Volume Manager」,ストレージ・リソース管理ツール「VERITAS SANPoint Control」と「VERITAS Storage Reporter」,ユーティリティ・コンピューティングへの移行を支援する「VERITAS Service Manager」などが含まれる。

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[発表資料(1)]
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