米Motorolaが米国時間10月13日に,2003年第3四半期の決算を発表した。売上高は68億ドルで,前年同期の65億ドルから5%増収。会計原則(GAAP)ベースの純利益は1億1600万ドルで,前年同期の1億1100万ドルと比べて増加した。1株当たり利益は5セントで,前年同期から横ばい。

 特別費用を除いた場合,純利益は1億3200万ドル(1株当たり利益は6セント)。前年同期は1億3300万ドル(同6セント)だった。

 Motorola社社長兼COOのMike Zafirovski氏は,「全体的に好調な四半期となった。また,事業の重要な側面で明るい兆しをみせている」と述べた。前年同期と比べると,主要な6部門のうち4部門で売上高が増加し,3部門で特別費用を除いた純利益が拡大。前期と比べて6部門すべてが売上高を伸ばし,5部門で特別費用を除いた純利益が増加したという。

 各部門の主な業績内容は以下の通り。

・Personal Communications部門
 売上高は29億ドル(前年同期比8%増)で,受注額は37億ドル(同44%増)。携帯電話機の出荷台数は2020万台(同約19%増)。米大陸における携帯電話への需要の高まりが,成長をけん引した。アジアでは,中国市場の競争激化が影響し,売上高が減少した。

・Semiconductor Products部門
 売上高は12億ドル(前年同期比4%減)で,受注額は14億ドル(同8%増)。通信業界の資本投資抑制により,ネットワーキングと無線分野が不調だった。

・Global Telecom Solutions部門
 売上高は11億ドル(前年同期比2%増)で,受注額は11億ドル(同23%増)。すべての地域で注文が増え,特にアジアでは大幅に増加した。

・Commercial, Government and Industrial Solutions部門
 売上高は10億ドル(前年同期比17%増)で,受注額は10億ドル(同4%増)。政府機関の国土安全保障の取り組みが,売上高と受注額の増加に大きく貢献した。

・Integrated Electronic Systems部門
 売上高は5億5900万ドル(前年同期比3%増)で,受注額は6億1300万ドル(同9%増)。

・Broadband Communications部門
 売上高は4億2100万ドル(前年同期比19%減)で,受注額は4億900万ドル(同6%増)。

 また同社は,今後の見通しについても明らかにした。第4四半期の売上高は75億~78億ドルの範囲の見込み。GAAPベースの1株当たり利益は8~12セント,特別費用を除いた1株当たり利益は11~15セントとの予測である。

 ちなみに米メディアの報道(CNET News.com)によると,同社は10月10日の米Moody's Investors Serviceによる格付けが下がっており,今回「投資家がより完全な見通しを立てられるように」(Motorola社)として予定より1日繰り上げて決算を発表した。

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