米In-Stat/MDRは,ケーブル・セットトップ・ボックス(STB)市場に関する調査結果を米国時間10月7日,発表した。それによると,設備投資の抑制などでデジタル放送向けのケーブルSTB需要が軟調ぎみであることから,2003年は再び横ばい状態となる見込み。

 デジタル放送向けケーブルSTBの2003年世界出荷台数は997万台となる見通しで,前年の1003万台をわずかに下回る。今後2~3年は年間平均1000~1100万台で推移し,長期的な成長は,西欧/アジア地域におけるデジタル式ケーブルTVの普及がカギを握る。

 市場は軟調気味だが,STBメーカーはインタラクティブな映像および通信サービスに対応した製品の開発に引き続き力を入れている。「HDTV(ハイビジョン)やPVRに対応したケーブルSTBが,すっかり定着した感がある。いち早く製品開発に取り組んだSTBメーカーは市場シェアを広げている」(In-Stat/MDR社シニア・アナリストのMike Paxton氏)

 その他の調査内容は以下のとおり。

・市場停滞に加え,STBの平均販売価格の低下により,デジタル放送向けケーブルSTBの2003年における売上高は,前年比15%減の18億6000万ドルとなる見込み

・PVR対応のデジタル放送向けケーブルSTBに注目が集まっている。2002年の出荷台数は8万台だったが,2003年には10倍の80万台に増加する

・デジタル放送向けケーブルSTB市場で米Scientific-Atlantaは2002年のシェア31%を2003年前半には40%に上げてトップ・グループに入った。

【おわびと訂正】
本文最後のパラグラフは,記事掲載当初,
・デジタル放送向けケーブルSTB市場の首位メーカーは米Scientific-Atlantaで,2002年の市場シェアは31%。2003年前半には40%にシェアが拡大している
としましたが,上記本文のように訂正します(2003/10/17)。

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