米In-Stat/MDRは,コンテンツ配信サービスに関する調査結果を米国時間9月2日,発表した。それによると,2002年に推定1億8600万ドルだった同市場の売上高は,2003年に約20%増加するという。コンテンツ配信サービスの既存ユーザーが利用範囲を広げ,新規ユーザーのサービス加入も増える見込みだ。
In-Stat/MDR社は485社を対象に,コンテンツ配信サービスの導入と社内CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)構築の実態を調査したところ,約23%が「コンテンツ配信サービスを利用している」「コンテンツ配信サービスと社内CDNを併用している」と回答した。
その他の主な調査結果は以下の通り。
・売上高と市場シェアでみた場合,コンテンツ配信サービス・プロバイダの首位は米Akamai Technologiesで,第2位は米Cable & Wireless
・ほとんどのコンテンツ配信サービス・プロバイダが,ほぼ100%の可用性を保証しているが,パフォーマンスに関するサービス・レベル契約(SLA)には,かなりの差がある
・コンテンツ配信サービス用ソリューションを提供している主要装置メーカーは,米Cisco Systems,米Network Appliance,カナダのNortel Networks
In-Stat/MDR社上級アナリストのHenry Goldberg氏は,コンテンツ配信サービスが,次世代インターネット/企業イントラネットを形成するうえで大きな役割を果たす,と述べている。「コンテンツ配信サービスは,Webサイトでの配信速度が短縮し,映像/音声ストリーミングの質が高まり,ファイルのダウンロード時間も加速化している。また,Webベース・アプリケーションの分散処理へと拡大しつつある」(同氏)
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