米IBMは,同社のサーバー「eServer」製品系列向けの新機能「iSeries for Capacity Backup」と「iSeries for High Availability」を米国時間9月5日に発表した。事業継続性の確保を目的とする中規模企業向けの機能で,特に「i825」「i870」「i890」サーバーに適しているという。IBM社では「(障害発生時などに)重要な業務データを保護できる」としている。

 iSeries for Capacity Backupでは,オンデマンドでシステムの処理容量を増減できる機能を提供する。平常時は必要最小限の数のプロセサだけを動作させることで,サーバー・リソースの利用効率を向上できる。障害発生時などに動作させる予備のプロセサを用意しておくことで非常時に備える。なおプロセサを用意するにあたり,追加費用は発生しない。

 またiSeries for High Availabilityは,システムの停止を最小限に抑えることを望む顧客向けの機能という。同機能には,独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)製の高可用性ソフトウエア・パッケージも付属する。ただし同社は機能の詳細については明らかにしていない。

 IBM社eServer iSeries部門マーケティング担当副社長のCecelia Marrese氏によると,「顧客は,サーバーの障害や処理能力需要の予期せぬ急増に対応可能なインフラを必要としている」という。「当社の事業継続機能を利用すれば,サーバーの処理能力を追加したり,アプリケーションを予備のサーバーにそっくり移動したりできるようになるので,システム運用時の懸案が解消する」(同氏)

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