米映画協会(MPA:Motion Picture Association)は,DVD複製ソフトウエアを手がける米321 Studiosを米国時間8月29日,英高等裁判所に提訴した。321 Studios社はこれに対し,9月5日にコメントを発表した。

 米国の映画業界は同様の裁判を米国でもすでに起こしており,321 Studios社のDVD複製ソフトウエア「DVD Copy Plus」と「DVD X Copy」がデジタル・ミレニアム著作権法(DMCA:Digital Millennium Copyright Act)に違反するものだとして,販売停止を求めている。321 Studios社は,カリフォルニア州北地区の連邦地方裁判所にその請求を棄却するよう訴えている。

 321 Studios社は今回の訴訟について,「予測していたこと」とし,「真正面から闘う心構えだ」と述べた。また,「個人的に所有しているDVDの管理手法を選択する消費者の権利に関して議論を高めるのに,ちょうど良い機会だ」(321 Studios社)と付け加えた。さらに同社は,「当社のソフトウエアは,著作権侵害行為を防止する目的で,変更不可能なデジタル・スタンプなどの4段階の保護機能を備えている」と説明し,同ソフトウエアが著作権侵害を助長しているとする映画業界の主張に反論した。

 ちなみにDMCAに関しては,ピアー・ツー・ピア(PtoP)のファイル交換サービスを提供した米Verizon Communicationsに対し,ユーザー名を米レコード工業会(RIAA)に開示するよう命じた判決例がある。

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