米Microsoftが米国時間1月20日に,パソコンでの再生を想定したCD/DVDコンテンツ作成ツール・キット「Windows Media Data Session Toolkit」を発表した。デジタル・メディア・プラットフォーム「Windows Media 9 Series」に対応した新たなツールである。

 Windows Media Data Session Toolkitを用いて作成したCDやDVDは,「セカンド・セッション保護機能」を備える。セカンド・セッションとは,パソコンで再生するデータを格納している部分に「Windows Media Audio」で符号化したRed Book(正規の音楽CD規格)準拠のオーディオを記録するもので,パソコンでのみ再生可能。コンテンツは著作権保護技術「Windows Media Digital Rights Management」で保護されため,コンテンツ所有者は再生の際の詳細な規則を設定して,知的財産を守ることができる。

 例えば,「パソコンでのCDやDVD再生を無制限に許可」,あるいは「携帯音楽プレーヤへの転送は認める」といった設定ができる。アーティストのインタビュー,ボーナス・トラック,ライナー・ノートなどのコンテンツや,5.1チャネル・サラウンドなどのオーディオ機能をパソコン再生の場合のみ有効にする,といった設定も可能。

 Microsoft社Windows Digital Media部門ジェネラル・マネージャのDave Fester氏は,「CDやDVDに保存されたコンテンツを楽しむうえでパソコンが果たす役割は大きい。Windows Media Data Session Toolkitは,コンテンツを保護したままパソコンでのCD再生を可能にする」と説明した。

 なおMicrosoft社によると,フランスのMPO International GroupがWindows Media Data Session Toolkitを導入しているという。同ツール・キットの早期版を用いて作製したCDには,Sinead O'Connorの「Sean-Nos Nua」(米国バージョン)やLen Doolinの「Once in a Lifetime」などがある。

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