英Clearswiftは英国時間8月20日,2003年7月のスパム・メール状況に関する調査結果を発表した。それによると,ポルノやわいせつな内容を含むスパム・メールはかなり減少している一方,ヘルスケアやギャンブル関連のスパム・メールが大幅に増加している。

 調査は,Clearswift社が設定した電子メール・アカウントと,同社製品ユーザー1600万人が受信したスパム・メールを統計したもの。

 7月のスパム・メールのうち,ヘルスケア関連が25.8%を占め,6月の18%から拡大した。ヘルスケア関連のスパム・メールは最も増加しており,これは病気や障害に悩む人々をターゲットとした電子メールが多いことを示している。「電子メールは,バイアグラのように,他人にあまり知られたくない製品を販売するには理想的なマーケティング手段だ」(Clearswift社)

 ヘルスケア関連に続き,融資関連が20.8%,直販関連が18.2%,ポルノ関連が15.2%を占めている。

 ギャンブル関連のスパム・メールの割合はわずか7.2%だが,増加傾向にある。オンラインのギャンブル業界が拡大し,電子メールでの「誘い」に乗せられるユーザーが増えているためである。

 電子メールをマーケティング・ツールとして利用する業界は増加の一途を辿っているが,「電子メールとスパム・メールの境界は,企業が送付する広告メールが,十分に練られた,ピンポイントのマーケティングであるかどうかにかかっている」(同社)。

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